血糖値を上げない食べ方|早め夕食で血糖値をコントロール!
1日の最後にとる夕食。仕事が忙しいとついつい不規則な時間に食べがちです。そんなビジネスパーソンの助けになる、体内時計を整える夕食のとり方を早稲田大学先進理工学部の柴田重信教授に聞いてきました!
基本の夕食の時間とは?
そもそも夕食は何時にとるのがベストなのでしょうか? 柴田教授曰く、朝食から10〜12時間以内にとるのがいいそうです。7時に朝食を食べた場合、17〜19時に夕食を終え、夜食はなしということになります。
この習慣は夕食後の血糖値の急上昇を抑えることにつながります。22時から午前2時までは脂肪蓄積を促すタンパク質「Bmal1」が活発になるため、たとえ朝と同じものを食べても血糖値が下がりにくく、エネルギーが体脂肪として蓄積されやすいのです。
このように早めの夕食は高血圧や高血糖、脂質異常症の改善につながり、健康維持に大きな効果をもたらします。しかし、現代社会で働きながら17〜19時に夕食を済ますのは簡単なことではありません。そのような場合、夕食の時間はどのようにしたらいいのでしょうか?
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分食をして健康維持を
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忙しくて夕食の時間が遅くなってしまうという人は、分食がおすすめです。早めと遅めの時間に分けて食事をとることで、血糖値の上昇が緩やかになります。
早めの時間ではおにぎりやサンドイッチの主食を、遅めの時間では、副食・副菜を、また食物繊維が豊富な海藻類、根菜類、キノコ類が入ったおかずを食べるようにしましょう。
こうすることで体内時計の夜型化を防げるようになり、正常に作用することで身体を健康に保てるようになるのです。
体内時計とは?
では体内時計とはそもそも何なのでしょうか? 柴田教授によると、「睡眠と覚醒」「体温変化」「血圧変化」「ホルモン分泌」「糖・脂質代謝」などの生理機能をおおよそ「24時間と少しの周期」でコントロールする重要な機能だといいます。
体内時計は、1日が終わる「夜」になると心身を休息の状態に切り替え、「朝」になると活動に備えて体の調子を上げます。特に夜の食事は血糖値が上がりやすく、食べる時間が遅くなればなるほどその上昇具合は高くなります。また睡眠中は上がった血糖値が下がりにくいため、高血糖のまま翌朝を迎えると、翌日の血糖値はそこから上昇することになってしまうのです。
そのため夕食をとる時間に意識を向けることは、健康を維持するためにも非常に大切なことだとわかります。
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カルシウムをとるのも夜が効果的
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牛乳や卵などのカルシウムの入った食材を夜に食べるのもおすすめです。夜は骨を生成する時間帯であり、カルシウム吸収率も高いです。そのため夜に乳製品をとることは効率よくカルシウムを体内に取り入れることに非常に理にかなっています。
しかし乳製品には脂肪分が多く含まれているので、肥満を気にしている場合は低脂肪のものを選ぶようにしましょう。
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時間栄養学を意識した夕食、いかがでしたか? 夜は日中と比べて“いつ食べるか”が非常に重要になってくるんですね。夕食をとる時間は不規則だという人も、ぜひ分食を取り入れて健康な身体を目指してみましょう。
早稲田大学先進理工学部教授。1953年生まれ。九州大学薬学部薬学科卒業、同大学大学院薬学研究科博士課程修了。2003年より現職。日本時間栄養学会会長などを務める。著書に『食べる時間でこんなに変わる 時間栄養学入門 体内時計が左右する肥満、老化、生活習慣病』(講談社ブルーバックス)「脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい」(講談社+α新書)などがある。