ガチ中華の食べ方【2】|東京・上野で中国式の牛肉しゃぶしゃぶを堪能!
話題の「ガチ中華」をご存じですか? これは本場そのままの味を楽しめる中国料理のこと。最近は現地の人気店が、日本に続々と進出しています。
今回は、東京・上野の「孫ニ娘潮汕牛肉火鍋(そんじじょう ちょうさんぎゅうにくひなべ)」で、中国式とされる牛肉しゃぶしゃぶの楽しみ方を聞いてきました! 話題のガチ中華シリーズ、第2弾です!!
「ガチ中華」って何?
知られざる4ジャンル
「ガチ中華」とは、日本人向けのアレンジをしていない本場そのままの味を楽しめる中国料理のことを指します。東京の「ガチ中華」情報を発信するWebサイト「東京ディープチャイナ」を運営する東京ディープチャイナ研究会の中村正人さんによると「ガチ中華には、4つの人気ジャンルがある」とのこと。1つ目は四川料理に代表される麻辣系料理、2つ目は羊肉料理、3つ目は蘭州牛肉麺(甘粛省)やビャンビャン麺(西安)などのご当地麺、4つ目は小吃(シャオチー)と呼ばれる粉物を中心としたファストフードだといいます。
今回紹介するのは、潮汕(チョウサン)料理。広東省潮州市や汕頭市を中心に食べられている地方料理です。乾物、魚醤、塩などで煮る海鮮系が多く、うま味と塩味を味わえるのが特徴です。
ガチ中華、上野で急増中!?
最近は中国の最新食トレンドが続々と東京に進出しています。注目エリアの1つが上野。コロナ禍を経て好立地の空きテナントが増えたこと、中華系食材の調達がしやすくなったこと、日本に留学し、その後も働く中国やアジアの若い人たちが増えたことから、集客が見込めるようになったことなどが要因です。
今回訪れた「孫ニ娘潮汕牛肉火鍋(そんじじょう ちょうさんぎゅうにくひなべ)」も上野で大注目のガチ中華店の1つ。海鮮メインの潮汕料理の中では新しい、牛肉しゃぶしゃぶの専門店です。オーナーの孫芳さんによると、「牛肉しゃぶしゃぶは5〜6年前から中国で流行っている」といいます。楽しみ方を詳しく教えていただきました!
前菜からスタート
まずは前菜から楽しみます。現地の火鍋専門店では自分で料理を取るブッフェスタイルがほとんどです。写真は左からジャガイモの千切り(土豆絲)、ピーナッツの水煮、干し豆腐(干豆腐絲)、トマトの漬物。どれも中国では定番の惣菜で、少し酸味のある味付けがしてありました!
自己流のタレをつくる
前菜を味わったら、牛肉しゃぶしゃぶに向けてタレをつくります。タレの種類が多いのは中国火鍋ならでは。孫ニ娘潮汕牛肉火鍋では東南アジア由来の沙茶醤(サーチャージャン)や海鮮醤油があるのが特徴です。ガチ中華が初めてという人は、カスタマイズの掲示板もあるので安心を。
ちなみに、孫さんおすすめは「沙茶醤+醤油+紅葱油(ネギアブラ)+香菜(パクチー)」のタレ。ネギやパクチーの香り、紅葱油の濃いめの味がクセになる!
火鍋で牛肉しゃぶしゃぶを楽しむ
部位をチェック
孫ニ娘潮汕牛肉火鍋では日本国産の牛肉を一頭買いして、非冷凍のまま最短日数で店に届けています。とろけるような食感のサーロインをはじめ、さまざまな部位をしゃぶしゃぶで味わえるのはうれしいですよね。現地の人はどんな部位をよく食べるのでしょうか?
ロース。やわらかい食感とほどよい脂身の味わいが絶妙です。
肩ロース。サシの入った肩から背中にかけての部位。ロースよりもやわらかく、とろけるような食感です。
ランプ。腰からももにかけての部位。細切れの赤身肉で歯応えがあります。
バラ。あばら骨の周辺の部位。脂身が多く、濃厚な味です。
前スネ。前足のふくらはぎの部位。筋肉質のため赤身が多く、噛み応えがあります。
トモスネ。後ろ足のふくらはぎの部位。前スネよりも硬く、コリコリ食感が特徴です。前スネとともに人気が高いそうです。
ミスジ。肩甲骨から手首にかけての部位。やわらかくも歯切れがよく、噛めば噛むほどうま味が出てきます。
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牛肉しゃぶしゃぶにトライ
牛肉しゃぶしゃぶは牛骨スープや大根の入った鍋に手持ちのザルを沈ませて、その中で牛肉をくぐらせます。一度に入れる牛肉は3〜4枚。菜箸を持った右手(利き手)で豪快に牛肉をつかみ、左手(反対の手)でザルを構えるイメージです。
牛肉は8秒ほどくぐらせましょう。これが孫さん直伝のルールです。
しゃぶしゃぶをした牛肉はこんな感じ。ほんのりピンクがかっている状態でOKです。このまま自分でつくったタレにつけて食べましょう。
牛肉から団子系&野菜へ
牛肉以外の食材も鍋に入れると絶品です。団子系はザルの上で1〜2分ほど火を通しましょう。牛肉100%の牛肉団子(左)は想像以上にムチムチな弾力、中に魚の卵が入った卵入れ魚団子(右)は魚卵のクリーミーな味わいが印象的でした!
野菜や豆製品も注文可能です。ザルではなく鍋に直接入れてください。今回は左から油麦菜、ほうれん草、ゆばをチョイス。牛肉の合間に野菜をとるとバランスよく食べられますね。
サイドメニューもガチ中華!
牛肉しゃぶしゃぶ以外にも、本格的な中華サイドメニューが豊富です。活きたままの海老を醤油、白酒、紹興酒、ニンニクなどからなるタレに漬けた「車海老特製タレ漬け(潮汕生腌)」は必ず頼んでほしい逸品の1つ。手で皮を剥いていただきます。プリプリな食感のあとに紹興酒の強い風味がします。
「海鮮腸粉」は米でつくった皮に海鮮や肉を入れて蒸し、特製タレをかけて仕上げた料理です。プルプルモチモチな感覚はまさに新食感でした!
牛肉入り焼きそばである「乾炒牛河」は、河粉(ホーファン)というきし麺を牛肉やニラ、モヤシなどと一緖に炒めます。醤油の甘辛い味が特徴で、満足感たっぷりな料理でした。
訪れた人と食卓を囲んで楽しむ牛肉しゃぶしゃぶは、ガチ中華が初めての人にとってトライしやすい料理かもしれません。中国の最新食トレンドを東京・上野で体験してみましょう!
※掲載情報は、2023年2月時点のものです。価格等は変更になる可能性があります。
牛肉しゃぶしゃぶ鍋で知られる中国・潮汕(チョウサン)料理の専門店。広東料理とは異なる、あっさりした味わいの牛肉料理や沿岸部ならではの海鮮料理を提供する。店内は完全個室、半個室を含む全130席を備え、さまざまなシーンで利用できる。撮影協力は、東京の「孫ニ娘潮汕牛肉火鍋 上野御徒町」。上記Webサイトはぐるなび。