ガチ中華の食べ方【1】|羊肉料理の世界を秋葉原「香福味坊」で堪能!

ガチ中華の食べ方【1】|羊肉料理の世界を秋葉原「香福味坊」で堪能!

話題の「ガチ中華」をご存じですか? これは本場そのままの味を楽しめる中国料理のこと。なかでも「ガチ中華」の代表格と呼ばれるのが羊肉料理です。今回は、東京・秋葉原の「香福味坊」で、初心者向けの羊肉料理の楽しみ方を聞いてきました!

【取材協力】香福味坊

「ガチ中華」を知る

店内メニュー

「ガチ中華」とは、日本人向けのアレンジをしていない本場そのままの味を楽しめる中国料理のことを指します。東京の「ガチ中華」情報を発信するWebサイト「東京ディープチャイナ」を運営する東京ディープチャイナ研究会の中村正人さんによると「ガチ中華には、4つの人気ジャンルがある」とのこと。1つ目は四川料理に代表される麻辣系料理、2つ目は羊肉料理、3つ目は蘭州牛肉麺(甘粛省)やビャンビャン麺(西安)などのご当地麺、4つ目は小吃(シャオチー)と呼ばれる粉物を中心としたファストフードだといいます。

東京ディープチャイナ

店内の様子

今回、羊肉料理の楽しみ方を聞くため、東京・秋葉原の「香福味坊(こうふくあじぼう)」を訪れました。ここは、中国・東北地方の家庭料理をルーツとするメニューが人気の「味坊集団」が運営する店舗。さまざまなスタイルの羊肉料理を提供していることで知られています。

羊肉の冷菜

冷菜

まずは冷菜からスタート。「羊胃袋の自家製ラー油和え」(左)と「羊肉の煮こごり」(右)を甕出し紹興酒と一緒にいただきます。前菜から羊肉縛りで楽しめるとはびっくりです。

羊胃袋の自家製ラー油和え

こちらが「羊胃袋の自家製ラー油和え」。羊の胃袋を2〜3時間煮込み、自家製ラー油で和えた料理です。羊の胃袋が出てくるのは、東京でもかなり珍しいとのこと。コリコリとした食感が楽しめます。

羊肉の煮こごり

続いて、「羊肉の煮こごり」。羊肉を牛のアキレス腱と一緒に長時間煮込み、煮こごり風に仕上げたもの。下に敷いたレタスと一緒にいただきます。クセの少ない羊肉の甘みと唐辛子の辛さのバランスが絶妙。紹興酒だけでなく、ビールにも合います!

羊肉の点心

焼き羊肉焼売

お次は、羊肉の点心。運ばれてきたのは、「焼き羊肉焼売」です。粗挽きにした羊肉にスパイスを加え、自家製の皮で包んで焼いた逸品です。こちらはクミン系のスパイスの下味が付いているので、そのままパクリ! カリカリの羽根がいいアクセントになっています。

焼き羊肉料理

焼烤(シャオカオ)

続いて、焼いた羊肉の登場です。中国語で「焼烤(シャオカオ)」。今回は「羊肉のもも焼き」をオーダーしました。やわらかい羊の骨付きもも肉を特製の野菜ペーストでマリネし、専用の窯でじっくり焼き上げた「香福味坊」の看板メニューです。添えられたスパイスは、左から発酵ニラだれ、発酵唐辛子醬、クミンです。

焼烤(シャオカオ)

クミンを少量かけていただくのが「羊肉のもも焼き」の王道の食べ方。いわゆるカレーの風味が、羊肉のオリエンタルな味わいを引き立てます。「香福味坊」では、3日前までに予約すれば、羊肉の丸焼きもオーダーできるとか。パーティが盛り上がること間違いなし!

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揚げ羊肉料理

揚げ羊肉料理

揚げた羊肉料理もあります。こちらは中国語で「炸(ジャー)」。運ばれてきたのは、「羊スペアリブの香り揚げ」(左)と「羊肉の串揚げ」(右)です。いずれもクミン系のいい香りがします。

羊スペアリブの香り揚げ

まずは、「羊スペアリブの香り揚げ」から。こちらは、「滷水(ルウスイ)」と呼ばれる香辛料の効いた中国風の煮汁でじっくり煮込んでから揚げた羊の骨付きスペアリブ。クミンベースのミックススパイスがよく合います。

羊スペアリブの香り揚げ

こちらは骨の部分を指でつまんでそのままガブリ! でOK。豪快に食べちゃいましょう!

羊肉の串揚げ

こちらは味坊集団の名物料理「羊肉の串揚げ」。ひと口大に切った羊肉をマリネして、串に刺して揚げています。

串揚げを食べる様子

クミンと唐辛子をまとった羊肉にかじりつくと独特な脂の甘みが口の奥に広がります。中国にもこんな串揚げがあるんですね!

ゆで羊肉料理

ゆで羊肉料理

続いて、ゆでた羊肉の登場です。中国語で「煮菜(ジューツァイ)」。写真は骨付きの羊あばら肉を使った「骨付きゆで羊肉」です。添えてあるのは、発酵ニラだれ(左上)と発酵唐辛子醬(左下)。

骨付きゆで羊肉

2時間ゆでることで、手でほぐせるほどのやわらかさに! まずは備え付けのビニール手袋を付けて、あばら肉をほぐしていきましょう。こうすれば、みんなでシェアできます。

羊肉に調味料をつける羊肉を食べる様子

食べるときは、各自があばら骨を持って、お好みの調味料を付けて。発酵唐辛子醬は、意外とマイルドな辛さで日本人向き。ゆでた羊肉は、「焼き」「揚げ」と比べて、羊肉らしいクセが残っていて、好きな人にはたまらないかも。

「羊スペアリブの香り揚げ」(左)と「骨付きゆで羊肉」(右)

「羊スペアリブの香り揚げ」(左)と「骨付きゆで羊肉」(右)は、中国の白酒(バイチュー)にもピッタリ! ぜひお試しを。

〆の羊肉麻婆豆腐

ここでなんと〆料理が登場。「香福味坊」の名物料理「羊肉の麻婆豆腐」です。花椒(フアジャオ)が効いた辛い麻辣ソースに豆腐と羊肉をたっぷり加えて仕上げた逸品。実は、これが今回のベストだったかも。

羊肉の麻婆豆腐

もちろんライスもオーダー可能。ごはんと一緒に口に入れれば、至福の瞬間が訪れること間違いなし。ゴロゴロの羊肉の食感と鼻に抜ける花椒の香りがたまりません!

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羊肉の麻婆豆腐

「香福味坊」では、これらの羊肉料理をナチュール系のワインと合わせていただけます。紹興酒や白酒もいいけれど、「ガチ中華」+ナチュールワインの組み合わせもおしゃれですね!

ナチュール系のワイン

「香福味坊」は、羊肉をよく食べる中国・東北地方の料理がルーツとのこと。ただ、中国を旅したことがある人なら新疆ウイグル自治区の料理などを思い出すかもしれません。「ガチ中華」は中国本土から日本にやってきた人々が東京で独自に進化させた料理でもあるそうです。

ビギナーのみなさん、東京における「ガチ中華」の総本山「味坊集団」のお店で、最先端の中国料理を味わってみてください!

※掲載情報は、2023年2月時点のものです。価格等は変更になる可能性があります。

【取材協力】香福味坊

東京の「ガチ中華」をリードする「味坊集団」が運営する秋葉原の大型店舗。朝7時〜翌朝5時までの22時間営業で、早点(中国式朝食)からひとり飲み、大卓の宴会までさまざまなシーンで利用可能。「焼き」「揚げ」「蒸し」「炒め」とあらゆる羊肉料理を楽しめる。

text: MARUMO Antenna

photo: NAKATA Hiroshi

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