ふぐ料理の食べ方|てっさからてっちり、雑炊へのフルコースを堪能

ふぐ料理の食べ方|てっさからてっちり、雑炊へのフルコースを堪能

高級食材である「ふぐ」は、昔から特別な日のご馳走です。ふぐ料理には定番の流れがあり、食べ方にもコツがあります。今回は、産地直送の国産とらふぐを使った逸品で知られる「とらふぐ亭」で、ふぐ料理の食べ方を取材しました。

【取材協力】とらふぐ亭

ふぐ料理を知る

ふぐ水槽

日本人は縄文時代からふぐを食べていたことが発掘調査で明らかになっています。江戸時代(1603年〜)には多くの藩でふぐ食が禁じられていたものの、代表的な産地である山口県下関などでは日常的にふぐが食べられていました。

その後、明治時代(1868年〜)に入ると全国的に生ふぐの販売が禁止に。ところが、明治時代後期の1888年にふぐ食が解禁され、第二次世界大戦後に西日本から全国に広がります。

てっさ

ふぐ料理の代名詞といえば、ふぐ鍋の「てっちり」とふぐ刺しの「てっさ」です。「てつ」の由来は「鉄砲」。「当たれば死ぬ」ことから西日本でふぐをこう呼んでいました。

毒がある魚だけに、ふぐを料理するには「ふぐ調理師免許」が必要です。今回取材した「とらふぐ亭」では、「ふぐ調理師免許」を取得した調理師が全店舗に常駐し、安心・安全のふぐ料理を提供しています。

調理師

また、「とらふぐ亭」では、長崎県平戸で養殖した国産とらふぐを生きたまま首都圏の店舗に配送しています。店頭の生け簀で元気に動き回る「泳ぎとらふぐ」を堪能できる点も大きなポイントになります。

では、とらふぐ料理のコースを堪能していきましょう。

まずは「皮刺し」から

「皮刺し」

今回は、「とらふぐ亭」の看板である「泳ぎとらふぐコース」をいただきました。まずは「皮刺し」から。これは、とらふぐの皮を湯引き後、千切りにした珍味です。

ふぐ料理と日本酒

ふぐ料理に合うのは、やはり日本酒です。「とらふぐ亭」では、山口県の人気銘柄「獺祭」を1合(180ml)からオーダーできます。

片口とお猪口片口とお猪口

片口からお猪口にお酒を注いでもらうときは、両手で受けるのがマナーです。

「皮刺し」「皮刺し」

「皮刺し」は、徳島県産のすだちを使った自家製ポン酢と和えていただきます。
2〜3切れを箸で取り、紅葉おろしと青ネギを少量のせて食べましょう。

「てっさ」を豪快に

てっさ

続いて、ふぐの薄造り「てっさ」の登場です。透き通る美しさを目で存分に楽しんだら、乾かないうちにいただきましょう。これで1人前になります。
商品名:泳ぎてっさ

てっさ

まずは、箸でふぐの身を2〜3切れすくい上げます。

紅葉おろしとふぐねぎポン酢

そこに紅葉おろしとふぐねぎを巻いて、ポン酢につけて食べます。しっかりとした歯ごたえの向こうに広がる上品な甘みが「てっさ」の醍醐味です。

すだちを搾る

ふぐそのものの味を楽しんだら、すだちを搾るとさらにサッパリといただけます。すだちを搾る際は、左手を添えて、周りの人に汁が飛ばないように!

「てっちり」を堪能

てっちり

「てっさ」に続く、ふぐ料理2大看板のひとつ「てっちり」の登場です。「てつ」は鉄砲、「ちり」は鍋を意味します。昆布出汁が入った鍋にふぐの身とアラ、春菊、白菜、豆腐などを加えていただきます。新鮮なふぐの身は、皿の上でぴくぴくと動いています。
商品名:泳ぎてっちり

紙鍋容器

とらふぐ亭では、紙鍋を使って、「てっちり」を楽しみます。
出汁が沸騰したら昆布を取り出して、脇の容器に入れます。

ふぐを煮るふぐを煮る

出汁が沸騰している間に骨付きのふぐの身を中火で6〜7分煮ていきます。出汁の上品な香りが漂ってきます。

ふぐの身

続いて、薄い身を2〜3分程度煮ていきます。

ふぐを煮る灰汁を取る

薄い身は火を入れすぎないのがポイント。適宜、灰汁を取り除きながら進めましょう。

ふぐの身

火が通ったら、まずはふぐの身だけで楽しみましょう。

ポン酢に青ネギポン酢に紅葉おろし

ポン酢が入った深めの取り皿に青ネギと紅葉おろしを入れたら準備完了。

ふぐの身とポン酢

ふぐの身を軽くポン酢につけて食べましょう。骨ごと口に運んでもOKです。

ふぐの身とポン酢ふぐの骨

箸の使い方に自信がある人は、取り皿の中で骨と身を分けて。骨は鍋の脇の容器へ。

ひれ酒

「てっちり」に合わせたいのが、「ひれ酒」です。これは、飴色になるまで炙ったふぐのひれで風味付けをした日本酒のこと。

青い炎ひれ酒

蓋を開ける際にマッチの火を近づけると青い炎が上がり、独特の香りが広がります。

ふぐのひれ

ひれは食べずに取り出して、裏返した蓋の上へ。

ひれ酒を飲む

風味を堪能しながらいただきましょう。ふぐのコースを楽しむ際は、最初から「ひれ酒」を頼む人も多いそうです。

野菜を煮る

ふぐの身を存分に楽しんだら、野菜を入れていきます。ふぐ出汁で煮た白菜や豆腐も絶品ですよ!

ふぐ唐揚げは手づかみで

ふぐの唐揚げ

「てっちり」のお次は、これまた定番の「とらふぐ唐揚げ」。サクサクの衣と噛むほどに染み出すふぐのうま味が絶品です。

ふぐの唐揚げにすだちふぐの唐揚げ

すだちを軽く搾ったら、骨の部分を指でつまんで、身の部分にかじりつくと食べやすいです。

雑炊で仕上げ!

雑炊のセット

仕上げはふぐの出汁でいただく雑炊です。店員さんもつくってくれます。

鍋の中の野菜雑炊を作る

まずは、鍋の中の野菜をすくって取り出します。出汁が沸騰したら、ごはんを投入。

塩醤油

塩・醤油をおたまに少量のせて、鍋に入れて味を調えます。

鍋が沸騰溶き卵を入れる

沸騰したら溶き玉子を入れて、火を止めます。

ふぐ雑炊

美しいふぐ雑炊のできあがり! これがおいしくないわけがありません。

お茶碗によそう

お茶碗によそっていただきます。

海苔雑炊に海苔

雑炊セットに付いてくるのりは、袋の上から揉んで、バラバラにしてから振りかけるのがコツです。

雑炊

雑炊も箸でいただくのが日本流です。

アイス最中

「泳ぎとらふぐコース」は、デザートに小豆入りのアイス最中も付きます。
食後のお茶と一緒にいただきましょう。

日本酒

「とらふぐ亭」では、「獺祭」(左)などの日本酒のほか、「中々」(中央)、「富乃宝山」(右)など九州の地酒である焼酎も楽しめます。ふぐ料理に合うので、トライしてみてください。

ふぐ料理の食べ方、いかがでしたか? 最近は海外から訪れたベジタリアンやペスカタリアン(魚介類を食べるベジタリアン)の人にも人気だそうです。ぜひ「とらふぐ亭」で、「泳ぎとらふぐコース」を試してみてください!

※掲載情報は、2023年2月時点のものです。価格等は変更になる可能性があります。

【取材協力】とらふぐ亭

国産のとらふぐを使った最高品質のふぐ料理を提供する専門店。東京、神奈川、千葉、埼玉で計40店を展開。こだわりの国産とらふぐは、長崎県平戸の養殖場から生きたまま店舗に直送。ふぐ調理師免許を取得した職人が全店舗に常駐し、捌き立てのとらふぐを堪能できる。撮影協力:とらふぐ亭浅草店

text: MARUMO Antenna

photo: HATABARA Yuji

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